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建築積算士試験について

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2018.03.05

こんにちは!設計スタッフの井上でございます。

今回は先日私が受験した資格「建築積算士」についてです。

見事合格できましたので、

これから受験される方や業者の見積もりに関して疑問に思う方は一読下さいませ。

 

まずは試験概要です。

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「建築積算士」

①工事の見積もりが適切に出来るかどうかを問う試験

2次試験の実技では、

実務よりも細かい数値を求められ、数十億円以上の工事の見積もりでも、

1000円単位でぴったりと合わないと正解にならないシビアな試験。

公共工事の見積もりを作る上では非常に重要な資格であり、

民間の場合でも見積もりの信頼を得るには最適な資格。

②一次試験が10月・2次試験が1月にある。

保有している資格によっては、一次は免除になる場合がある。

③試験は一日のみだが、朝から晩まで丸一日ある。

④合格率はおおむね60%程度

⑤合格点数は明かされていないが、足切り点があり、

各科目6割以上・総合計6割以上が基本とと思われる。

⑥小論文が2問ある。

⑦受験者の8割が1級建築士

⑧勉強の仕方は参考書などはなく、

協会が出しているテキストと過去問になる。

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①ですが、試験ではかなりシビアに数値を求められます。

実務ではだいたい全員が同じ図面から全く同じ見積もりを作ることは困難で、

大体何円~何円の間であればOKというような感覚の方がほとんどだと思います。

この試験ではそんな甘えは通用せず、数量も小数点以下3までピタリと合わなければならず、

必然的に図面の読み込みも、寸法線からのみではなく、細かな厚みも計算が必要。

 

②受験者は詳しくはわかりませんが、大阪で受験した私の感覚的に、

2次試験からが8割、一次試験からが2割程度かと思います。

 

③科目は丸一日あり、問1・2→小論文→昼休憩→問3→小論文→問4

というように、一気通貫して問題を解くわけではなく、

部分部分で解いていくので、過去問を演習する際は、その辺りを意識した方が、

当日焦らなくて良いかと思います。

各科目ごと、終われば途中退出可能です。

 

④合格率は60%程度と言われていますが、簡単なわけではないという印象です。

小論文があるので、足切りに合うとなるかもしれないとなると合格発表まで気が抜けません。

また、細かな数値を問う試験なので、うっかり問の1問目をミスしてしまうと、その後の解答が

すべて間違ってくる可能性があるので、1夜漬けなどでは合格は難しいです。

他のブログ等では実務でやっている方は無勉強で通るなどと書いてある記事もありますが、鵜呑みにしないことです。

資格が出来たばかりの頃はそうでしたが、今はきちんと勉強しないと難しいです。

実際弊社でも、60代のスタッフで30年くらい前にこの資格を取得した一級建築士がいますが、

そのスタッフでも「今こんなに難しくなってるのか~!」と驚くほどです。

私自身も資格は建築士の他宅建、インテリアコーディネーター等20個近く保有していますが、

建築積算士試験は簡単な資格という印象は受けませんでした。

 

⑤⑥ ④でも少し触れましたが、この試験は小論文があるのがポイントです。

小論文はテキストから出題され、その範囲も限定されておらず膨大です。

毎日少しずつ読み込むか、普段から意識して情報を入れていないと解けません。

要は、一般の事務や主婦やパートさんなどが積算だけ勉強して取得するのではなく、

きちんと普段から業務をしており、基礎知識がある者に資格を与えようとしていると思われます。

また、小論文がある試験は、小論文で合格者の調整をする場合が多いです。

点数だけでは合格者が横並びになる可能性も高く、小論文の出来で、

6割以上を得点した人の中から、合格者を絞っている可能性が高いです。

 

⑦受験者の多くが1級建築士なので、2級以下の方は受験に不安になるかもしれません。

しかし、勉強さえすれば関係ありません。私も受験時は2級建築士ですので。

2級建築士は、建築士試験の際には3分の2は木造の試験です。

その為実務でも木造の図面や積算は得意でも、そのほかの構造は苦手な方が多いです。

しかし積算士試験の問題は鉄骨やRC造の見積もりを作るのがメインです。

その為、1級建築士でRC等の知識を深めた人が、ステップアップで積算士資格のチャレンジする場合が多いと思います。

私も普段の業務は、木造に関するものばかりなので、鉄骨やRCの図面を読むことから練習しなければなりませんでした。

ただ、普段鉄骨やRC造の図面を見慣れている方は問題なく理解できるかと思います。

学生も受けている方がちらほらいる印象でした。

 

⑧勉強方法ですが、参考書などもないので苦労すると思います。

私の場合を参考までに紹介すると、勉強期間は約3ヶ月です。

(私は他の資格勉強と並行していたので余裕を見ましたが、最低でも2か月は勉強した方が良いです。)

普段鉄骨やRCの図面に触れていない方は、まずはその見方を練習するのに、時間がかかります。

最初は1-1を解いて、解説で理解するのに2時間以上かかりました。

毎日少しずつ解いていけば5年分の過去問が1ヶ月で1回通りは出来るかと思います。

 

次の1ヶ月で、引き続き過去問をしなかが、小論文対策でテキストを30分くらい毎日見ました。

過去問を一度解いた後で、小論文対策をすれば、だいたいテキストのどのようなところが出題されるかわかるので、

出題されそうなところだけ、マーカーで引くなり、ノートに転写して見直せばOKです。

特に出てきた用語でわからないものは調べておいた方が良いです。

 

最後の1ヶ月で、精度を上げて、うっかりミスなどをなくすようにしました。

正直、この段階ではうっかりミスさえしなければ受かる段階まで成長していますが、

なんせ細かい試験ですので、このうっかりミスが一番怖いです。

平日に少しずつ問題を解き、休みの日に通して練習して、

集中力が持続して、うっかりミスをなくしていけるかのトレーニングをします。

4-5回くらい通してやって、8割くらいの点数を獲得できるようになれば、

当日もミスは少なくできると思います。

(家だと中々見直しの時間はとりませんが、当日は見直したりすると思うので。)

私の場合、受験前は過去問であれば95点以上取れるようになりました。

当日はうっかりミスがなければ100点かなという出来でした。

小論文対策はテキストを何度も見るのではなく、

一読してマーカーを引いたところだけを一週間前くらいに暗記するという形でOKです。

 

1ヶ月目:5年分の過去問を一通りといて、傾向と説き方を理解する。(一日2時間程度)

2か月目:小論文対策と引き続き過去問を解いて慣れる。(一日:小論文30分、過去問1時間程度)

3ヶ月目:うっかりミスをなくすことを意識して過去問を5年分再度とく。(一日2時間程度)

普段から鉄骨やRCの図面になれている方は、1ヶ月目と2か月目を同時進行でも良いと思います。

総勉強時間:180時間-200時間程度

過去問は5年分を最低2回でOK。小論文はテキスト1読と、最終暗記でOK。

 

以上で私は問題なく(試験終了時に「絶対受かった」と思えるレベルで)受かりました!

積算初心者でそれくらいなので、慣れている方はもう少し勉強は少なくて済むかもです。

参考にしてみてください。

 

一般のお客様へ

積算・見積もりは担当者によってある程度差が出てきます。

見積もりが安い=得している ではなく、見積もりが安い=同じ工事内容で品質が下がっている。

見積もりが高い=品質が良い ではなく、見積もりが高い=ぼったくられている。

上記のような可能性もあります、

ある程度金額の高い工事(数百万以上)の場合は、

建築積算士がいる工事業者に依頼して見積もりをしてもらうか、

建築積算士がいる設計事務所に工事業者の見積もりの精査を依頼するなどして、

適正な価格で工事を進める準備をしましょう。

 

弊社では、住宅の見積もり精査だけですと数千円程度、

実際に適正見積もりの作成で数万円程度で作成可能です。

工事業者の出す見積もりに「これって?」と疑問に思ったら、

ご相談くださいませ。数千円の投資で、数十万から数百万の予算に空きがでるかもしれませんよ!

 

失礼いたします。