建物点検にて感じたこと
11月某日、いつの間にか夏の暑さが過ぎ、秋らしく爽やかな気候が訪れたと感じる今日この頃。
今日は久しぶりに建物点検の現地調査に行って来ました。
久しぶりと言っても、毎年この様な学校等の用途の点検業務をしており、この夏中も学校や大学などの用途の建物を対象に点検業務をして数か月しか経っていないのですが、夏中の他の仕事の慌ただしさと厳しい気候から解放された様な感じもあって久しぶりと思ってしまいました。
今日点検する建物の用途は公務員の宿舎、平たく言えば共同住宅です。
共同住宅には廊下形式によりいくつか分類され、片廊下型、中廊下型、階段室型などがあり、よく見かけるのは片廊下型や階段室型かと思います。今日点検してきたのは階段室型です。
階段室型は廊下がなく、階段室から直接住戸と繋がっている形式であり、メリットとしてはプライバシーを守りやすく各住戸の通風に優れています。私も子供の頃、友達がこの形式の住戸に住んでいて遊びに行った時の事を思い出すくらい馴染みのある形式と言えます。
点検する内容は、建築基準法上の法定のみならず、劣化状況を判断し問題があるかどうかをチェックしたり、写真に収めるのですが、外部に関しては屋上防水,外壁等の劣化状況、玄関扉(防火戸)の開閉や非常用照明の点灯機能の有無、設備配管の劣化等があります。内部に関しては各室の内装のみならず各設備の劣化状況等があります。
今日点検した棟数は7棟でした。確認した訳ではありませんがどの棟を見ても空き部屋が目立つ様に感じ、物寂しい雰囲気が漂っていました。 それを感じて思ったのですが、ここに住む人はこの建物に満足できているのだろうか、建物にも流行り廃りがあって、昔からのある形式に飽きているのではと思いました。私個人としても仮住まいとはいえ、合理性だけに基づいたものではなく、もっとこれからの時代に訴える様な機能性や設備だけでなく、そこに住む人たちがコミュニティの場を創り出せる様な魅力的な共同住宅があっても良いのではないかと考えさせられました。またそうすることで街の景観にも付与し、これからの街づくりに変わっていくことを望みたいと思いながら、点検中に足下についたくっつき虫(正式名:ヌスビトハギ)を取るのに苦労した1日でした。
綜合設計 長野憲普(一級建築士)

